2010年6月27日日曜日

100627 ジュセリーノ予言とワールドカップ(お笑い)

ワールドカップ関連のメール・コメントがいくつか届いている。

ジュセリーノは現在行われている南アフリカ大会の結果を予知夢で得たものだとして

1位ブラジル2位ドイツ3位フランス4位イングランドと公表していた。

それがいつのまにか自身のHPで 1 GERMANY, 2 FRANCE , 3 ITALY; 4 BRAZIL に変更している。

どちらにしてもハズレであることに違いはないのだが。

まあそれはどうでもいい。

自分が笑ったのは、掲載されていた画像(手紙)のほうであった。


1970年、ジュセリーノがFIFAに送ったといっている手紙の画像である。[註1]



1974年大会からの上位国の名前がズラズラと書き並べてある。
何度も名前の出てくる「Allemagne」とはフランス語でドイツのこと。(ポルトガル語では『Alemanha』になる)

しかし、ワールドカップの歴史的にはこれは大間違いである。何故かというと1990年のイタリア大会まで、エントリーしていたのは東西ドイツの二ヶ国があったからだ。

もし、本当に1970年にジュセリーノ少年が予知夢でワールドカップの結果を予知夢で得たというのならば、絶対にここは「Allemagne de l'Ouest」(西ドイツ)であるとか「Allemagne de l'Est」(東ドイツ)のように書いていないのはおかしなことだ。

ほかにも1998年大会の三位には1970年当時まだユーゴから分離独立していないクロアチア(CROATIA)の名前があったりと、それだけで世界歴史の間違い探しクイズの様相を呈している。

これだけ挙げればもうはっきりとするだろう。

つまり、これもまた(やっぱり!)ジュセリーノが後から捏造したものだという何よりの証拠となってしまうのだ。

それにしても、ジュセリーノにはこういう単純なミスというか大ボケばかりかますよねぇ。

なにもそんなに笑わせてくれなくてもいいのにさ。

2010.06.26

[註1]HPに出してある手紙画像は計4枚(後日2枚追加して6枚になった)。これはその二枚目である。(フランス語で書かれた1970年FIFA宛のものと、1999年にドイツサッカー協会に対して送ったといっているものが2枚である)。

フランス語のほうだが、多少なりともフランス語の読める人間が見たら思わず噴き出したくなるような稚拙な間違いが非常に多い。まあジュセリーノはこれを「10歳の時に書いたもの」としているので、もし完璧なフランス語で書かれていたなら逆に引いてしまうか。でも10歳児のふりをして偽造の手紙を書いているジュセリーノの姿を想像してしまうと自分はもうダメだね。笑うしかないでしょう。

新たに追加されたドイツサッカー協会(DEUTSCHE FUSSBALL BUND)宛の二枚の手紙も一見してヘンだ。何人かの人からも指摘が来ている。

http://www.jucelinodaluz.com.br/IMG/federacao_alema.jpg
http://www.jucelinodaluz.com.br/IMG/federacao_alema2.jpg

「(前略)1970年の手紙よりも紙が(経年変化で)古びているではないか。誰が見てもおかしいとすぐわかるはず(後略)」(「TOTO」さん)
なるほど、確かに。

Till 1990, There were Two German countries. Both of west and east.
They says that 10years-old boy Jucelino sent the letter to FIFA at 1970.
But this letter looks like a recentlies, written by whom knows Two German countries will unite after years.
WHY? (what a kind of laughing it is!)

And CROATIA was independent of the United nations of Yugoslavia at 1990.
HaHaHa

【追記】

カラドさんという方、その他のかたから「(たま出版の)ニラサワ氏は掲示板でジュセリーノの予想はドイツ優勝だと発言しています。しかし、同氏がソースとしている未来からの警告IIを見ると2010年南ア大会の優勝国としてジュセリーノがあげたのはドイツではなくてブラジルになっています」というメールが届いている。

こういうはなしを耳にすると「相変わらず困ったじいさんやのう」という感じ。

ちなみにその掲示板におけるニラサワ(敬称略)の書込みだが

投稿者:ニラサワ
日本チームの今野選手がデンマーク戦当日に、遠藤選手が得点をあげる夢を見たといいます。その日、予知の通りフリーキックを得た遠藤選手は見事ゴールを決めました。
さて今日の対戦はどうなるのでしょう。
「続、未来からの警告」にある今年のWカップ勝者は、ドイツということになるようです。

一方、参議院選挙の行方について予想してほしいと週刊誌の取材を受けました。
日本がWカップの決勝トーナメントに残ると、浮動票が減るので、民主党が不利になると言っておきました。SPAにコメントが出ると思います。
それにしても15年前の政界再編時に弊社で出版した「ユートピア経済学」や「友愛主義宣言」の中に、「第三の道」など、総理のキーワードが既に書かれていることにいまさらながら驚きます。

2010/06/29(Tue) 11:27 [14591]


となっている。

このニラサワという人の困ったところは(いっぱいあるけれどね)なんといっても平気で嘘をつくこととまともな仕事をしないことだと思う。この掲示板の書込みにはそのふたつの悪いところがそのまま出ている。

『続・未来からの警告』という本のP304を見ると、ジュセリーノによる2010年サッカーWC南ア大会の予知というものが掲載されている。

ジュセリーノの警告の手紙というのは、ブラジルのサッカー協会に対してのもので、要するに、フェリペ監督(2002大会ブラジル優勝のときの監督)を復帰させないとドイツ大会(2006)も南ア大会も優勝できないぞと警告している体裁をとっている。

つまり、この本で紹介されているジュセリーノの2010年の予想とは、フィリペ監督復帰の場合の順位の予想だということになる。

それが「ブラジル優勝 二位ドイツ 三位フランス 四位イングランド」ということになる。

それ以外にジュセリーノがサッカーワールドカップの予知(ただの予想だが)について書かれている個所はない。

この本のどこを探ししても「今年のWカップ勝者は、ドイツということになるようです」と書かれたところはないのだ。

もしかして、ニラサワ(敬称略)は「ブラジルの監督はフィリペでないのでドイツが繰り上がり優勝」みたいな勝手な論理のすり替えをおこなったのかもしれないが。

しかし、仮にもニラサワという人は「続・未来からの警告」という本の監修者である。その監修者が自分が手がけた本の内容もよく省みずにこのような嘘を平気で吐くことに対しては批判されて指弾されるのもしかるべきことだと私は思う。

だから自分はここでニラサワという人に対して「もういい加減ジュセリーノについて発言するのはやめろ」と何度となく言っているのだが。(つづく)
2010.06.29

2

それと同じくらいに皆が疑問を呈しているのは
日本がWカップの決勝トーナメントに残ると、浮動票が減るので、民主党が不利になると言っておきました。の個所だった。

確かに一見すると実に不思議な論理である。「どういうことなのか説明してください」みたいなことを書いてきた人も何人かいるのだが、そんなのこの自分にわかるはずがない。それこそ「本人に訊けよ」としか言いようがない。

もっとも推測ならばいくらでも可能である。ある人は「風が吹けばオケ屋が儲かるみたいなものでおそらく何か論理の踊り場をツーステップくらい省略している」と書いてきている。そんな感じもしなくもない。

しかし、自分はこれはニラサワ(敬称略)のなにかの聞き違えというか勘違いがもとになっているような気がしてならない。

たとえば、投票日当日、雨が降るなど天気が悪くなったり、あるいはほかに投票行動の妨げになるような大きなイベントがあったりすると投票率が下がり、確固たる組織票を有している政党が有利になり、浮動票頼みの大政党が不利になるというようなことは言われる。また、参院選の投票日は実はワールドカップの決勝のある日でもある。実際に、もし日本がワールドカップで決勝に勝ち進むと参院選の投票率に大きく影響するだろうというような、杞憂というべきか恐るべき楽観論というべきなのかはよくわからないが、そのようなことを言っていたテレビ番組はあったようなのである。

もしかして、ニラサワはこれを聞き違いしたのではないだろうか。決勝と決勝トーナメントを聞き違えるとか。

まあ民主党が浮動票に支えられている政党なのかということについては単純にはいえないとは思うが。

まあでもここでこんなことをいくら書いてみても何の意味も持たないのは承知のうえである。とにかく、ニラサワという人の発言についていくら深く考えてもそれはムダなことだからだ。この人のこういう発言は単純に笑いものにするのがもっとも正しい対処法だろう。質問をうけた以上はいくばくかの義務もあるだろうということで自分は書いてみたのだけれども。

2010.06.30

3

案の定というのかなんというのか…

「ジュセリーノの予言は成就寸前。世界はそれを目撃するでしょう」とか「あなたもいい加減この事実を認めてジュセリーノさんに謝罪すべき」といったコメントが舞いこんできている状態である。

それと呼応しているかのようにして「2ちゃんねる」でジュセリーノ擁護派、信者としかいいようのない書込みがつづいているという。

ため息が出てくるわ。

この世には本当にアタマの悪い人間(日本人ってことだが)がいっぱいいるもんだなぁと。

そもそもジュセリーノの先行して公表された予言というものは非常に数が多い。

その中のほんのちょびっとだけがたまに当たったように見えてしまうだけで、外れたもののほうが、そうね大体だがその100倍くらいはある。

実はジュセリーノによるサッカーワールドカップの予言というものもブラジルで公表されたものだけでも5つぐらいのバージョンが確認されている。

2006年大会に関する予言にしても、最初にジュセリーノは「ブラジルである」としていたのを二転三転したあとで「イタリア」にして、それのことを「当たった」と言っているだけだった。

そのあとになってからジュセリーノがこのいくつかのあるワールドカップ予言の、ブラジルが優勝するかしないかの点で異なる二種類の予言を結びつけるために言い出したのが「監督がフェリペならば」の条件つきの予言だった。まあそういうことにしてしまったのである。

ジュセリーノがHPで公表しているFIFA宛の手紙というのも、よく見れば今までジュセリーノが思いつくままに公表していたワールドカップ関連の予言と見比べると矛盾だらけである。(最大のポカは西ドイツとすべきところをドイツにしたところだが)

おそらくは、これらの中のどれかでも当たればジュセリーノは自分の予言を当たったと言い出すつもりのようだ。というか、日本まだ根強くいるジュセリーノ信者たちはそのつもりなんだろうが。

だからここで念押ししておくが、ジュセリーノが「優勝はドイツ」としたのはHP上に公表した新しいものである。一昨々年(2007)テレビで言っていたブラジル優勝、一昨年(2008)に出た『続・未来からの警告』にあるものとはまったく別のものだということだ。これらをごちゃごちゃにして「ジュセリーノの予言は当たった」と騒ぐことぐらいニラサワチックで愚かなことはないのだ。

2010.07.01