2010年4月13日火曜日

100413 民主党は靖国参拝をしない党ではないということ(重複)

早稲田大学の大槻教授がブログで民主党支持を表明しているのですが、その理由がちょっとおかしいんですねというコメントが来ている。しかも結構な数が。

誰がどの政党を支持しようとも、あるいは、それを表明したからといって、それにいちいち何かを言うようなことはしたくないし、このブログはそういうもの(=政治について語るもの)でもない。

しかし、このブログの読者さんの多くは、ジュセリーノだけにかかわらず、こういうテレビでやるインチキオカルトというものに対して非常に敏感なひとたちで、中でも何かがあればコメント投稿してくるというコア層に支えられているのは大きな事実だ。

だから、韮澤潤一郎(敬称略)であるとか、この大槻教授とか、インチキオカルト番組に頻繁に顔を出す人たちのネット上での発言にも目を配っているのだろうし、こうして自分のところにも感想を求めるメール(コメント)が来るわけだ。

だからまあそれに応えるという意味でこの件にも触れておくとする。


大槻教授のブログの問題の記事に目を通す。
【会いに来てくれ 九段坂!】の結びのところにこうある。

(民主党を支持する)その理由は、たった一つ。靖国神社参拝をしないからだ。つまり、あの悲惨な戦争で散った戦死者を侮辱しないからだ。

自分は「ええっ?!」と思った。我が目を疑ってしまった。そう感じた人も多いようだ。

まず、民主党自体は党是として靖国神社参拝を禁止しているのではない。現実に民主党の中には以前も現在も靖国参拝を行う国会議員が何人もいる。[※→追加]

ただし、現状ではある種の戦略として大臣閣僚及び閣僚級の国会議員に対して靖国参拝を自粛するようにと通達をしているらしい。[※→追加2]

だから、大槻教授が「靖国参拝をしないから民主党を支持します」というのは理由としてものすごくおかしいということになる。まあ、これは誰でもすぐにわかることだと思う。

そして、さらに言えばだが、その民主党が連立を組んでいる二つの政党の一方である「国民新党」であるが、この政党についてはご存知の方も多いだろう。この国民新党、靖国参拝派とべったり一心同体の政党といっていいい。

なにしろ、この党の初代党首(代表)が「みんなで靖国参拝をしましょうの会」の会長職でもある綿貫民輔(わたぬき・たみすけ)元国会議員なのである。[註1]

もし、大槻教授が国民新党のチカラを借りるようにして誕生したこの現政権のことを指して「民主党を支持する」というのであれば、自然科学者しても「失格」ということにもなりかねないのでないか。大槻教授の言っていることは非論理的すぎるということになるからだ。

教授、そこまで思いが及ばなかったのだろうか。

それにもし、大槻教授が「靖国参拝を是としてきた今まで政府与党を許せない」というのであるのならば、だったら何故それ(つまり靖国参拝全面禁止)を党是としている社民党であるとか共産党を支持すると表明しないのだろう。そっちのほうがよっぽど理由と方法論と目的の三位一体が完全合致をしているだろうに。

だから大槻教授が「民主党は即刻に国民新党と手を切れ、連立内閣から追い出せ。だったら自分は民主を支持する」と発言したのであれば、まあそれはありなりかもしれない。

大槻教授がブログの中で綴っていた、戦地で亡くなった人たちとその家族に対する思いというものはもちろん自分は理解する。[註2]

だからといって、その理由でもって「だから民主を支持する」と表明するというのは笑って済ませることではない。

教授のやっていること(=民主党を支持するということを表明すること)が、その戦時中に国民を騙してきた軍部の手先となった御用学者と同じやないの…といわれても反論できない面があるからだ。

これ、下手すると深刻な問題にもなりかねないことなのだ。

大槻教授といえば、テレビでオカルトを叩く側のヒトというイメージがある。そのオカルトを叩く側がこんな無茶苦茶なこと(まあある種のオカルトだ)を言ってはいけないと思うし、無為な揚げ足取りのネタにされるではと危惧しているのだ。

そして、自分が心配することがもうひとつある。

大槻教授が大学の教授であって大勢の学生に対してものを教える立場にある人間だということだ。

そういう立場にある人がこんな「トンデモ」さんでは、学生たちもたまったもんじゃないだろう。おそらく学生たちは陰でこの教授のことをバカにするのでは。

大槻教授は即刻自分のこの発言は訂正するとか、もっとちゃんとした論理的説明を加える必要があるだろう。悪いことはいわない。あくまでも忠告の部類としてだ。[了]

2010.04.07

※誰かこの記事を大槻教授のブログに投稿してください。お願いします。


[註1]綿貫民輔元議員の実家が神社であり、綿貫元議員は現在でも宮司の有資格者である。

[註2]私の伯父のひとりが戦地死亡者、つまり戦死者であり戦没者である。当然自分はこの伯父とは会ったことはないのだが、それでもいろいろとつながりを感じることはある。(この伯父のことを知る)皆すべてがまるで口を揃えるように、伯父と自分は「生まれ変わりかと思うくらいにそっくりだ」とか言うからだ。

その伯父は昭和二十年に23才で死亡となっているので大正十年ころの生まれとなる。大槻教授の父君よりも相当に年若のはずだが、同じ宮城県からの出征なので、もしかするとどこかでつながりがあるかもしれないと思うと不思議な気分になる。こういうことって迂闊に口にすべきではないのは承知なのだが。


追加

[註3]そののち軽く調べただけでも、「靖国参拝をする会」所属の閣僚級民主党として原口一博総務大臣と滝実法務副大臣の名前がでてきた。閣僚ではないが、民主党の党要職者には松原仁なんてのもいる。大槻教授、もし「靖国参拝をしないから民主を支持する」という主張を曲げないのであれば、これらの民主議員に対してなんかを言わないでいるわけにはいくまいて。

追加2

自粛を要請する指示があったというソースがいくら探しても出てきませんね。なんで自分が「靖国参拝を自粛する指示があった」と書いたかというと、以前民主党の議員?の誰かがテレビでそう答えていたからなのだが。

もしそのソースをご存知の方がいらしたらご一報をお願いします。




追記

なんか収集がつかなくなっている。

勘違いしているひとも多いが、自分は大槻教授を批判しているというのではない。

民主党を支持する「その理由は、たった一つ。靖国神社参拝をしないからだ」ではあまりに非論理的だ。この部分は訂正か削除すべきだと自分は言っている。

もし自分が大槻教授を批判するつもりならば、むしろ後半の「つまり、あの悲惨な戦争で散った戦死者を侮辱しないからだ」の個所に対して突っ込みをいれている。

実際に大槻教授のこの発言に対して「むしろこっちが問題発言かもしれません」という意見が何通か来ている。


靖国神社を参拝することが何故戦没者を屈辱することになるのか。それを説明するのは大変難しいのでは。

単純にいえば、閣僚級の議員、大臣が公人として靖国神社を参拝するという行為、それが「戦没者を屈辱する行為だ」というのは、死んだ人たちの気持ちを代弁していることにはならないだろう。あくまでも残された側、つまり生きている人間の気持ちでしかない。つまり「そう見える」あるいは「そう思う」という生きている我々の気持ちであり思いである。

大槻教授が「屈辱している」と感じたとしても、それはあくまでも大槻教授の気持ちであるわけだし「思い」なわけだ。

これを「非論理」というキーワードでは批判できない。

自分が大槻教授のこのブログ文を見て感じた「ええっ?!」というのは、ようするにこれが自然科学者の発言だからだ。自然科学者がこんな非論理を口にしては拙いことになるでしょうということ。

これがもし社民党であるとかの議員、政治家の発言ならばほっとく。

もし大槻教授が単に「鳩山首相は靖国参拝をしていないから支持する」という意味で「民主を支持する」と言っているのならば「ご愁傷様でした」と思うだけだ。

自分がここでこんなことを書くのは大槻教授がオカルトを「非論理的」と叩く自然科学者だからであって、自然科学者がこんな非論理的なことを言ってはいかんでしょうということ。だから大槻教授はこれについては詳しい説明が必要だし、出来ないなら訂正するとか削除すべきだと言っている。そういうこと。


さて、大槻教授の書いた「つまり、あの悲惨な戦争で散った戦死者を侮辱しないからだ」の個所だが、自分がこれを見て反射的に思ったこととは「戦地死亡者に対する最大の屈辱とは、それは弔わないこと、つまり何もしないことではないのか」だった。

自分のこの気持ちを説明を上手く説明するのは難しい。人の発言を批判している場合ではない。順番としてはこれを皆にちゃんと説明できるようになってからだ。
2010.04.11




いやだから、自分は大槻教授を批判しているのではない。

何回おんなじことを言えばいいんだろう。

最初に自分は「誰がどの政党を支持しようとも、それを表明したとしてもいちいちそれに対して言うつもりはない」と前置きしているわけで。

もし批判をするのであれば大槻教授が民主党を支持することに対して文句をいわなければならないだろう。それがこの件での「大槻教授批判」というものになる。

自分は大槻教授(にしろ誰にしろ)どの政党を支持しようともそれを表明することもなんとも思っちゃいない。(ただし昨年の総選挙でそういう人たちが多かったという事実に対しては憂れいてはいるが)

自分がここで書いているのは大槻教授が民主党(あるいは民主政権のことなのかもしれないが)を支持する理由として「ただひとつ靖国参拝をしないからだ」と書いていることのその論理的破綻というものをこのまま放置してはいけないということであって、何故かと言うと大槻教授がオカルトを「非科学的である」と批判しているひとでもあるからだ。

だからこそ、何故大槻教授は「民主は靖国参拝をしない」と書いたのかそれについての詳しい説明であるとか、あるいは、それ(民主は靖国参拝をしないこと)が民主を支持する「たったひとつの理由」でいいのだろうかとかの反問に対しては答える必要はあるはずだろうと書いたつもりなのだが。