2007年5月30日水曜日

070530 笑えない間違いの部分

【ジュセリーノ予言の真実 0530】 笑えない間違いの部分

小ネタである。こういうのは後でまとめて書いたほうがいいと思っていたのだがリクエストが結構多かったので先に小出しにしておきます。

さて、ジュセリーノはチェルノブイリの原発の事故を予知したと言っている。
その内容はあまりに荒唐無稽でぶっ飛んでいて、もしこれがあの事故の予言でなければ自分は思いっきり笑い飛ばしていただろう。

まあその内容については後回しにしておく。それよりもなによりも真っ先に食いついてしまった部分がある。

なんとジュセリーノはその予知の手紙を(1980年に)ウクライナ国の大統領宛てに航空便で出したと書いているのである。

笑ってはいけない。これはジュセリーノ自身がそう言っているのだ。

たま出版の人間がそう言っている(書いている)のであればそれは単なる無知として片付けることもできる。そうでなくても昔読んだ(読まされた)たまの本にはこういう突っ込みどころが満載でそれだけで本が一冊かけそうなくらいであった。きっと、たまから出たジュセリーノの本も本一冊分は書けなくてもこういう部分がいっぱいなことぐらいは想像に難くない。

一応念のために書いておくが、ウクライナという国が大統領制度を登用したのはソビエト崩壊後の1991年。初代大統領はいうまでもなくレオニード・クラフチュクである。二代目がレオニード・クチマ。親ロシア路線に方向転換して総スカンを食った大統領である。現在の大統領(暗殺されそうになったといわれている人だ)が三代目大統領のユーシェンコだ。

1980年当時ウクライナには大統領(PRESIDENT)はいない。いるのは書記長(SECRETARY CHIEF-GENERAL)である。もちろんこれは英語での表記である。問題なのはジュセリーノが英語で「PRESIDENT」と書いていることであって、ロシア語でもウクライナ語でも「大統領」と「書記長」は別のものだ。だから日本でもこのふたつを呼び分けている。そのくらいはわかることだろう。

それにチェルノブイリの事故についてもしなにかしらの危険を知って通報するのならばソビエト連邦書記長に対してだろう。いくらなんでも。当時の(1980年ころの)ウクライナにはそういう国として独立した権限はなかったのだ。だからこそウクライナのチェルノブイリで起きた原発事故は政治的な悲劇でもあるのだ。

そんなことぐらい常識であろう。
少なくとも「1980年にウクライナ国の大統領(ジュセリーノがPRESIDENTと書いている時点)宛てに・・・」などと書いていたらば、日本で編集に携わる人間の誰かが「その原稿ちょっと待て!」ぐらいは思うはずなのだ。
まともな出版社のまともな編集部の人間ならばだが。

そう思わなかった人間しかいない「たま出版」の編集部は、少なくとも本一冊出す会社としてはダメ組織だということだし、あるいはトップの人間が一種の癌細胞になってしまっているという私のひとつの所見でもある。




【追記】
VAN」さん、その他大勢の方からこの部分に関して詳しい報告を頂いた。
たまの本「未未からの警告」第三版の103ベージの末4行から始まる部分だそうです。
「もしさらに図にのったジュセリーノが、ウクライナの大統領からの返事をもらった、みたいなことを書いてその手紙を証拠として示してれば完璧だったのに…」だそうである。

確かに、笑っている場合ではないよな。